Neetel Inside 文芸新都
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 ワナビとは麻薬と同じである。常習性があり、人をダメにする。デビューできる者もいるが、大半はダメ。尊い青春を無駄にする。これは麻薬依存症患者が骨をぼろぼろにすることと似ている。

 ワナビの社会的地位は低い。「要はごくつぶしでしょ?」と指をさされたり、殴られたりする。これにより居場所を無くしたワナビは、ますます依存を強くする。
 デビューできた暁には「漫画描いてなかったら犯罪者になってました(笑)」などと発言してやろう、と考えたり、ツイッターアカウントの自己紹介欄に「まん〇を売って生活してます」と書いてやろう、と考えたりする。
 色々と妄想し、浸り、気色の悪い笑みを浮かべる。
 これは、依存症患者が得ている多幸感に似ている。

 ワナビには、デビュー後の自分が見えている。専門とするジャンル、アプローチの方法、それにより得られる評価が、手に取るように分かるのだ。
 これは、依存症患者が訴える幻覚作用に酷似している。

 これは、一人の男の物語。
 上記のような、中毒症患者の物語だ。
 つまり僕の物語だ。
  

       

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