フィアードライブ

タイトル :フィアードライブ
作者名  :ソウルブレイブ
ttps://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se453490.html

フリーゲームの長編コメディRPGで一番を挙げろと言われたら、俺ならこれを選ぶ。
愛と勇気と本田と橋本!
超絶対ご都合主義的恋愛? 妹長編コメディRPG!
エロゲとSO3大好きサークルソウルブレイブが恋のドラマに負けないように放つ渾身の一作、フィアードライブ!

…そんな妹推しってほどでもなかったような気がする。
いやW主人公だけど…

主人公ディアは妹のティアラに留守番を頼まれる。
俺がいるからにはこの家は安全…などと思っていると謎の少女ファニアがずけずけと土足で上がり込んできた上、軽いノリで家を爆破されてしまう。
逃げるファニアを追うディア…冒険はここから始まる。そして同時に世界の危機も動き出すことになる……。
と言った話。

戦闘は2000ゲーながらAP制を採用しており、MPとAP両方を使用する技が存在したり、ゲージが最大値になる瞬間を狙ってタイミングよく決定することによって威力が跳ね上がる超必殺技も搭載されていたり、
あと地味に独自の連鎖攻撃プラグラムが組まれている仲間が存在したりとなかなか拘りはある…が要点はシステムではない。

このゲームの何がすごいってね、まず通貨単位。なんだと思う?
【みな実】。
数値が入ると正確には【栗林(数値)みな実】。
そうはならんだろ。
栗林みな実がすごい好きだとしても通貨単位には使わないだろ普通。
ステータス画面にはみな実の他にエクステンス、ルアンと数値があるが、このルアンと言う値に【特に意味はない】。
いや確か正確には全くデタラメな数値ではなくなんかの値ではあったみたいな話だったと思うが、【それを知ってどーする】レベルのどうでもいい項目だったはずだ。
この時点でなんかもう意味がわからなすぎるゲームに見えるが大丈夫。安心してほしい。
本編の方がよほど不条理だからな。

フィアードライブは章構成となっており、一章ディア編、一章ティアラ編、二章ディア編、二章ティアラ編、統一編、三章の順となっている。
統一編は本編だけならごく短いので実質五章構成である。ディアサイドとティアラサイドで話を進めながら最終的に統合する流れだ。
ディアサイドは実は一国の王女だったファニアに加え、天界より降りてきた神のメガミ、巫女の翡翠、魔法使いの少女リリス、魔神のフィルらを仲間にして進んでいく…のだが。
突然球技大会が始まったり、ディアの頭が取れたり、それを投擲する必殺技を覚えたり、ディアが魔王になったりと道中ハチャメチャなイベントは絶えない。
特に途中でクッッソ長い会議イベントが行われ謎の親父が乱入、「セーブしてないからこいつに負けたらまた会議のやり直しだぞ!!」 って言われて戦闘が始まった時は頭を抱えた。
脱線と省略を繰り返し、ディア達は世界の危機を着実に救っていく。
一方のティアラ編はディア編に比べてシリアス度は高めとなっている。
翡翠と同郷の春蘭、ディアとティアラの幼馴染(名前は犬から取った)ジョゼフ、格闘家のミニス、元敵幹部のシェイクや春蘭の母蓮華を迎えて旅をしていくが、敵のボスはどれも強敵。
神を変質させて作る武器「神器」にされてしまい人間を憎悪する元・神のセシュカ。
かつてティアラやディア、ジョゼフと親しい仲でありながら力を追い求める求道者となり決別、今や神族に匹敵する程に規格外の強さを有する美女グランゼ。
そして高位の神を「精製」して作った三大神器、闇を飲み込む闇「ブレイドルスターク」、空を切り裂く光「レヴァンテイン」永劫の業火「アイテン・シューレ」を用いる謎の組織、闇を焦がす果実「アップル」。
大いなる犠牲すら必要となる彼らとの熾烈な争いにコメディ要素は皆無…
…なのだが、そこはフィアードライブ。油断していると唐突に喫茶天の川で働くADVが始まったりする。
知らねぇよMilkywayなんて! 何年前のエロゲだよ!!
そんなこんなの果てに、ディアサイドとティアラサイドは合流。
総員で世界の破滅を止める三章に繋がっていく。

だいたいここまでの説明を聞いて「なるほど…要するに同人ゲーにありがちな不条理&厨二ゲーか…」って思われただろうが…まぁ間違ってはいない。
しかしこのゲーム、ボリュームはかなりのもの。一周クリアするだけで軽く50時間、やり込み要素を入れれば3桁時間はカタい。
ギャグとシリアスの両方を息切れすることなく続ける上、【ギャグにも結構伏線張ってある】など作り込みは決して甘いものではなく。
何よりラストバトル直前の【敵に危険性を見抜かれた仲間一人が時間軸から追放されてしまう】と言った大ピンチからの一連の流れの仕掛けと伏線回収はプレイヤーをとても驚かせ、同時に燃えるものとなっている。
また、各メンバーのスキルイベントにては本編で明かされなかった事実が明らかになり、「あるキャラクターとあるキャラクターが血縁関係にあるんだけど神視点のため当人同士はおろか周囲の人物も全く気付いていない」など物語に奥行きを与えている。いやーまさかだよ…
おまけにサブイベントや特殊イベントではディアが女性陣の誰かと結婚したとか未来から娘がやってきてパーティーメンバーになるなどのわちゃわちゃがあるのだが…
しれっと【ティアラとの子供がいる世界線】が観測されたりする。
いくら妹長編コメディRPGでも全年齢でインモラルはまずいですよ!!

随所に挿入される一枚絵、【攻略無しで挑もうとすると二百回ぐらいぶち切れる事必至な本編と関係ない50階の塔リフジーン】、豊富すぎる隠しボス、
負けてしまうと「この後どうせゲームオーバーなんだから俺がパーティーに入って好き放題やってやる」とか言い出して本当に好き放題やる敵ボス…と言うかシェイク・ブレバーなど、良くも悪くも記事一つでは語り切れない一作。
時間が有り余って仕方ないなら是非ともこの理不尽ギャグから始まる壮大な物語を自分自身で体感していただきたい。






そんな感じ。
sage