Neetel Inside 文芸新都
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 翌々日、葬儀場の親族控室に親戚たちが続々と集まってきて賑やかになった。
すごく久しぶりに会う親戚のおじさん、おばさんから、全然知らない人たちまでー・・・
事故死の割にはまあまあ生きたせいか、親族の中で泣いている人は見当たらなかった。
むしろ、皆にこやかに談笑している。
前日まであんなに泣いていた姉も高笑いしていた。
 
こうやって賑やかな人達で集っている空間では、なんだか少し楽しくもなった。
ところが・・・・・・

 葬儀会場に入り 厳かなムードの中、家族席に座っていると、すごく悲しくなってきた。
焼香が始まり、家族は立ち上がり順番に黙礼をする。
参列に来てくださった方々が皆、悲痛な面持ちで頭を下げていかれるので、私はまたボロボロと泣き始めてしまった。
この挨拶で立ち続けている時に、頭の中で脳みそが斜め前にズレる感覚がした。あ・倒れるのかな・・と、一瞬思ったが、ちょっとそういうカンジでもなく・・・、少し…数センチほど脳みそがスコッとずれたような・・・
   後にも先にも感じたことがない 頭蓋の中の不思議な感触だった。

       

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