Neetel Inside 文芸新都
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朝酒日記
9月

月を撃つ。
鈍い色の月は、本当は金なのに鉛のよう。
裏側をめくれば金色どころか錆色なのは世の中のせい。
愛おしい雨の中の散歩。
壁を乗り越えて、壁を乗り越えて。
明日の自分のために毎日遺書を書いて、思い残すことなく平穏な毎日。
そうやって平穏な毎日。そうやって、10代の頃に好きだった曲を今も聴いて。
扉も窓も無いけれども爽籟は今や今やと。
脣星落落の世の中を見つめても白々としていて。
9月に入ってから、一度もシラフな日がなかった。
毎日ウイスキーを浴びるように飲んで、ゲロを吐いて、死んだように生きてた。そこまでしてもなかなか死ねないし死なないってのは、まあ人間のタフさを感じるところだ。
3日前はウイスキーを2本と半分飲んでぶっ倒れたらしい。
2週間ほど前から殆ど記憶がないんだけれども、知り合いによると常に上を向いて過ごしていたらしい。というのも、俯くと吐くからこの姿勢が一番いい、とか言っていたらしい。
兎に角そんなこんなで生きていて、ようやっと2日前からお酒を抜き始めたって具合。またどうせ飲むんだろうけど、たまには体を労らないといけない。早死にするために不摂生してるとはいえ、体調が最悪なまま死ぬってのはちょっと嫌だから。

小さな机を買った。窓際に置いて、街を見下ろせるヤツを。
数百円で買ったからグラつくけど、無いよりはマシで色んなものが置ける。この文章を書くための液晶とか、煙草とか、煙草とか。お酒は傍らに置くのが丁度いい。
こうして城郭から街を眺めると、皆あくせく動いている。僕は久々にシラフだから、彼らに混じらないといけないのかも。
シラフでいると世界が不思議に見えてくる。変わったものが色々すぎて、脳の右側あたりが痒くなってくる。
普通の人は、お酒を飲んでるときがヘンな感じになるんだろうけれど、僕の場合は逆だから、なんとなくソワソワして、落ち着かなくて、キレイなものが本当にキレイなのかとか、妙に気になってきてしまう。
そういう時は煙で体じゅうを燻して、落ち着かせてやらないといけない。目と鼻に煙が染みれば、少しはそっちに気が向くから。
そんな風にため息が真っ黒になるまで煙を吐いて夜を過ごす。どうせ眠れないだろうから、こうやって朝が踊るまで窓辺に居よう。
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