Neetel Inside 文芸新都
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皮肉にも、今日もいい天気であった。
今日はすこし髪の形を整えるために美容院に出かけることにした。
母親から何千円か受け取り、服装を決め、シャワーをした後、出かけた。
汗を書くのが嫌だったため、すこし薄着、そして徒歩で向かう事にした。

自宅から美容院は少し離れている為、なにか飲み物を持ちながら行こうと思い
自動販売機で炭酸飲料を買った後、のんびり歩き始めた。
平日だからか、学生の姿は無く、絡まれる恐れも無かったため、ホッとした。
しかし、こんな田舎でも近くに駅があるため人ごみもあった。
案の定、先ほど足を踏まれて悶えてた。

ようやく美容院のビル前に着いた。
美容院は3階にあるため、中の様子が人目で把握できる。
・・・・・人はあまり居ないみたいだ。
早速ビルのエレベーターを呼び、他の人と乗り合わせた。
途中2階で止まり、人が降りた。一応話しとくがこのビルには階段が無い。
設計上異常があるかもしれないが、別に俺は気にしない派なので、
別に同でもよかった。しかし少し前から気になっていた。

3階に着いた。
降りてすぐ目の前に美容院があるため、扉を開けて、受付を過ぎて、
早速髪を切ってもらった。
ここの美容院には何回か入った事があるため、少しだけ顔を知られている。
また来たか、みたいな顔をされるのは案外悪い気分ではない。

今日はそんなに急いではいなかったが会話も少なく、てきぱきと切っていた。
自分は雑誌には興味が無いため、外の様子を見始めた。
島根にしては意外な繁華街な為、巨大スクリーンは無かったが、
巨大ビル、大手スーパーが並んで立っていた。
窓から見える風景を端から端まで目を通した。
・・・・・
見える範囲だとこれと言った異変は無いが、どうもしたが騒がしかった。
気になったが、まだ終わらなそうなので鏡に目を向けた。

ようやく終わった・・・・。
計30分は掛かった。正直今回は遅かった。
ともかくエレベーターを呼び、先ほどの騒ぎが気になるので、
スクランブル交差点に向かった。

人だかりが激しかった。
やはり____________________________その言葉が脳裏をよぎった。
「事件」・・・・・この人達はやじうまだろう。
しかし服装が少し違う人もいた。白の人、青の人・・・。
憶測に過ぎないが、十中八九警察官と救急車の方々であろう。
しかしこのひとだかりは異常だ。
人だかり・・というかビルから人は覗いてくるし、ヘリまである。
その上マスコミも到着していた。何が起きているのだろうか・・。
観に行こうとしたら警察の人が、

「ここは一旦出入り禁止にするからね、はいはい、ちょっと下がってね」

と言いながらジュラルミンの盾で押してきた。
その圧迫に負け、すなおに撤退するマスコミと人々。
気になりながらも、仕方なく帰宅する事にした。


       

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