Neetel Inside 文芸新都
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「――っ! な、なんだ」
 ゴゴゴゴ。
 大きな縦揺れが起こり、アリスやシーナは地面へと座りこんでしまう。
 天井の土もパラパラと落ちてくる。

「まずい、出口がッ」
 スバルの声に振り返ると、出口が土砂でふさがってゆく。
 揺れは徐々に収まり、四人は密室へ閉じ込められた。

 それと同時にユウトは何か巨大な気配が近づいてくるのを感じていた。
「みんな、集まってくれ! 来るぞっ」
 ユウトのかけ声でシーナはこちらへと来たが、アリスとスバルは別々の行動を起こしていた。

「アリス、戻るんだ! 敵が近づいてる!」
 アリスはエレメンタルを取りだそうと夢中だ。
 スバルはそんなアリスの元へ駆け寄って行く。
 スバルがアリスの元へ着いた時、ぼこりとユウトの足下が盛り上がった。

 ドシャアァ――。
 ユウトとシーナの元いた位置は爆ぜるように抉られた。
 そこには異形のモノが蠢いている。

「サンドワームだ……」
 シーナを抱えて素早い跳躍に攻撃を回避したものの、異変は続く。

 ぼこ、ぼこ、ぼこ。
 太い棒のようなその体躯がみるみるうちに空間を埋め尽くす。
 怪物の体には無数のトゲのようなものが付いており、
 それをつかって地面を掘ってきたということが解る。

 一瞬にして50セントは掘ったのだから、強靱なモンスターといえた。
 サンドワームたちは一斉に壁へと群がり、エレメンタルを食い散らかす。

「ああっ!」
 アリスは声を上げると同時に後ろ手に引かれ、エレメンタルから引き離される。
 岩を砕くようなくぐもった音を上げて、
 壁の魔石を食い尽くすと、今度はユウトたちへと向き直った。

「こいつら……エレメンタルを喰って……!」
 エレメンタルとはマナを構成する要素(エレメント)の固体である。
 マナの力を吸収したモンスターは凶暴化、または強靱化して危険だ。
 特に吸収したエレメンタルによっては、水の魔物が炎を吐いたりもする。
 自滅することもあるが、一部のモンスターは持ち前の生命力で耐えうることが可能なのだ。

       

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