Neetel Inside 文芸新都
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 女は一考する。


 自由を奪われた上、
 使い魔の一匹や二匹で命を見逃すという条件。

 それこそメイジの誇りなど捨てて召還するのがメイジだろうし、
 使い魔もそれで主の命が見逃されるなら喜んで召還に応じるのではないだろうか?

「(きっと強がっているだけよ。そうに違いない)」

 女はそう思った。


 ――しかし、とうとう一刻を過ぎてもアリスは微動だにする気配がなかったのである。

「そろそろ我慢比べは終わりにしましょう、アリス。
 それともここで死ぬ?」

「いいえ、死にたくなんかない。
 けれど、そんな犠牲を払ってまで生きたいとも思わない。
 それだけよ」

 犠牲――。

 メイジの中には使い魔の命を自分と同価値にしてしまう者もいるというが、
 目の前の少女はその類とは違うような気がした。

「あなたの使い魔を手に入れたからって
 こっちは別に取って食うわけでも、ホルマリン漬けにするわけでもないわ。
 何なら好きな時に会いに来たっていい。
 
 ――どう? 破格の条件じゃなくて?」

       

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