Neetel Inside 文芸新都
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洗っていないコップの件がひどく気になり、俺はその件を住人に尋ねた。

>>コップ貸すくらいなんだ気にするはずないだろ
>>姉さん男前だから気にしないんじゃね?

それはそうだ、洗ってないコップがなんだというのか。
それくらい彼女はきっと気にしない。
住人のレスに軽く安心しながら、
時折スレをチェックし、助言に耳を傾けながら俺は仕事を進めていく。


そして17時、皆が仕事を終え事務所のタイムカードを押し更衣室に帰っていく中、
俺は工場で使用するボルト等の消耗品が届いていたので、それを補充すべく机を離れようとした。
すると人の流れの最後尾に鉄火が見えた。
俺は何かを期待していたのか、席を立とうとしたものの思いとどまり再び席に座る。

彼女は社内外注の人間なのでタイムカードを押さなくてもいいのだが、
日報をつけるため毎日事務所に立ち寄るのだ。
その日報を書き終えた鉄火がペンをまわしながらこちらに歩み寄り、俺を呼びとめた。

鉄火
「あのさ、事務所とかでもよかったらさ、私とちょーっとだけ話、してくれない?」

彼女の少し申し訳なさそうな顔が俺を刺激する
更に背を縮めてお願いするその仕草、危険すぎる
というのも彼女の着ているツナギの作業服の前ジッパーが腹部まで下がっていたので
襟首の隙間から彼女のブラが見え隠れしていたからだ。

今の話、事務所のメンツに聞かれただろうか?

工場長は取引先と話をしている。
俺の向かいの席の子は・・・・伝票整理をしているが・・・聞こえていてもなんら不思議はない。
だが聞かれたとしても構いはしない。この向かいの席の娘は俺の事を嫌っているようだからだ。
どちらかというと『こんな俺にも女友達が出来てるんだぜテメーら』くらいの勢いだ


orzむしろ聞いていてほしかったぜ


俺はクールに立ち上がりながら
『今、俺仕事残ってるから忙しいんだよ・・・後にしてくれねえ?』

と冷たく言い放つ妄想は置いておき、即座にOKした
腰を、少し引いた状態で。


そのまま俺は仕事を可能な限り早く終わらせるために、事務所を急いで出た。

       

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Neetsha