Neetel Inside 文芸新都
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>お姉さま居ないわけだが・・・・なんで?
>先に行っておくが俺は何も地雷踏んでないよ


鼻息を荒くしながら俺はバチバチとタイピングし、事態の報告を行う。
困った時はすぐ相談、これは重要だ、孤男の人は俺を見習いたまえ。


>>ひょっとして、家に着替えに戻ったとか?

>>現場の人間は結構内輪の隠語使うぞ?
>>着替えるわ=帰るわ
>>の意味があったりせんかね?
>>最後に「おつかれー」とか言われてたらほぼ間違いなし

>>連絡しろー

さまざまな声が聞こえるが俺はもはや彼女に何かの理由があって嫌われたに違いないと推測
今日一日の記憶を巻き戻し
自分に失言が無かったか、自分の態度におかしいところは無かったかと記憶を添削する。

>>今日じゃなく昨日に遡るんだよ
>>終業後、お姉さまは誰に誘われてたんだっけ?
>>早く助けにいってやれ

何ということだ
彼女はまたもや魔界村のプリンセスの如くレッドアリーマーTIGにさらわれたというのか?
もしそうなってしまっていたら助けに行くのは当然俺しかいないわけである。
今の俺が向かうということは、まさにリアル魔界村、裸の騎士がごとく一瞬で灰塵と化すであろう。
それはそれでクオリティが高くて住人的には楽しめるのであろうが、俺としては御免こうむりたい。

>>あー、↑の可能性もあるな。
>>一応連絡とってみたらどうだ?
>>出たら出たで
>>ちゃんと着いたか心配になって~
>>とかなんとか言ってごまかしとけ
>>あとはわかるな?

連絡?だから彼女は居ないんだってば、ここにいなければ話のしようがないじゃないか

>>おっとっと、携帯はどうしたんだい?

あ・・・・・・俺は携帯持っていたなそう言えば、俺は何をトチ狂っていたのいうのか。

急いで彼女に電話をかける。
呼びだし音が鳴る。2コールしないうちに彼女は出たのでまず安心する。
彼女に事情を話すと

鉄火
「あれ?私帰るって言ってなかったっけ?」


「いやいやいや、言うてないですよ」

鉄火
「・・・・ごめん、今すぐ戻るよ」


「いえいえいえ、疲れてるでしょ?早くご飯食べてください」

鉄火
「う~ん、何か悪いな」

俺は沈黙することで「ああ、たしかに悪いよ・・・!」という気持を表した

鉄火
「じゃあ、ご飯食べに行くからついといでよ」


「いい?いえいえいいですって」

鉄火
「ん~・・・・じゃあさ、さっきの約束の話だけどさ、今週末二人でお出かけしよっぜっ!」


「うわー!そんな!デートって!」

鉄火
「デートじゃあないんだなww買い物なんだけど」

デートという言葉をひらりと避わされ、俺は少々意気消沈する
そこで黙ってしまったことで、彼女は俺が恥ずかしがっていると勘違いしたのだろうか

鉄火
「二人でいくのが恥ずかしかったら、友達も呼ぶよんウリウリ~」

そう言ってふざける彼女に何を思ったのか俺はまたも即答してしまう。


「ええ、じゃあそれで」

鉄火
「おっけ!じゃあ決まりね、土曜ね」


「おっけ!おっけ!」

友達が来るというのは不満だが、とにかく彼女が俺に怒っていたわけじゃないのが嬉しく、
更にデートもといお出かけの日時も決まり、俺は少々浮かれた声で彼女に返事をしていた。
彼女はそんな能天気な俺を憐れんだのか

鉄火
「もうちょっとしっかりしなよ!もし私居なかったらあんた間違いなくずっといじめられてるよ!」

今までのいじめ生活を思い出し、俺は急転直下でブルーモードに入る。
「・・・すんません」

鉄火
「まあ、昨日は私が助けられたんだけどね」
「さっきも話したと思うけど、今日みたいな事されたら工場長にいいなよ!!」


「うん、わかったっす」

鉄火
「いつかいいことあるといいな!!」


そういったやり取りの後、通話は終了した。
彼女が怒っていたわけじゃなくて良かった。本当に良かった。
さて、心配してくれた住人に報告をしなければ
そうだ、KYな俺が地雷を踏まないように、エロゲのような買い物イベントを失敗しないように
住人に色々とレクチャーもしてもらわないとな。
そんな事を考えながら俺は再び事務所に戻った。



       

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