Neetel Inside 文芸新都
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 ワンピースの少女はハンドシグナルの後、タクヤとナミを指さす。
「にひひ~、りょうかい!」
 瞬間移動と言うほかない。白いワンピースの横に突如現れたのは小さい女の子だった。
「よ、幼女!」
「タクヤ、油断している場合では……っ」
 どしゃりと地面がめくり上がり、ナミとタクヤの前方が花弁のように塞がれる。
 影は暗みを増し、もう逃げ場など何処にも残っていない。
「だっしゅつ~!」
 白い子と幼女は一瞬の間に数十メートルも後方へワープし、影の下から逃れる。
「馬鹿な!」
 反対側に走って行ってはもう逃れることはできない。
 誰かと立ち位置を置き換えるにしてもそれはあくまで最終手段だ。
 落下する巨大岩石に封されようとした時、どこからか聞き覚えのある声がした。

「そいつを殺すのは私だああ!」
 確かに影の外から発せられたその声は黒い制服姿をさせていた。
 タクヤは傷を治しておいたがまさか追ってくるとは思わない。
『――(絶対因果斬)エンペラム』
 彼女が頭上の巨大岩石に向けて投擲したナイフが、それを一瞬で小粒の雨に変えた。
「これは……B-53の……結衣!」
「ああぁぁ! せっかく聖果が運んできたのに!」
 タクヤは瞬時にナミを抱き寄せ、頭上に鉄板を創造していた。
「あいつをやるのは――はぁ、……私――」
 公園に駆けつけた結衣と呼ばれた少女。
 タクヤは前回同様、彼女の中へと逸物を納めていた。
 それを意に介した様子もなく、平静な様子を見てタクヤは苛立ちにも似た焦りを感じていた。

「ほぅ、今度は耐えるんだな」
「ふん、何を言ってるんだか。それよりあんたのこれ、ちょっと小さくない?」
 青ざめた顔でいうが、彼女の表情はうっすらと笑みを浮かべていた。
 そんなはずはない。僕の巨根は16センチオーバーだ。今もぎちぎちな秘宮に収まっているじゃないか!
「死ね!」
 タクヤが我に返ったとき、目の前に投擲されたナイフが迫っていた。
『しまっ――、鉄』
 注意を逸らす為の布石だと気づいた頃には遅かった。
 想像創造には最低でも2秒はかかってしまう。間に合わない!
「タクヤ!」

       

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