Neetel Inside 文芸新都
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「おらぁ――!」
 何の脈絡もなく、破瓜の瞬間は訪れた。
 冷たい地面の下。思っていたよりもずっと冷静な思考の中、それは散り去った。
 ズチュ――ズチュ。
 体を壊されて、犯されるなんて思ってもみなかった。
 悲痛と激痛が綯い交ぜになって私の歯車はぐにゃりと形容を変えて回り出した。
「全然濡れてねえとやっぱ気持ちいいどころかイテェだけだわ」
 そう言うと男はローションをかけてよがり出した。
 初めからこうなることを計画していたのだと私は上下からくる激痛に耐えながら悟った。
「少しはましになったか」
「前戯が足りなさすぎるんすよ先輩。しかも何ですかローションってw
 初物でそれ彼女にやったら二週間は口聞いてくれませんよ」
 藤野がそう言った。もう、何でもよかった。考えても無駄だ。
 結局、私は利用するプロセスを誤った。それだけのことだ。

「こいつ、泣いてますね」
「そりゃ、レイプされてんだからな。こんな糞みてーな女でも意中は他にいたってことだろ」
「おい、終わったら次は俺だぞ」
 後ろで見ていた男の中から声が上がる。
「わかってるって。それより暗いんだからちゃんと照らして肉棒温めとけ」
 ヌチャヌチャと気持ち悪い音を立てて男一人が昇っていく。
 果てたと同時に消えればいい。そんなことを思った時だった。
「うっ――出る」
「あれぇ、さっき気持ちよくねえとか言ってませんでしたか」
「う、るせえ」
 どろっとした熱いものが奧に感じた。穢らわしく、貧弱な男の射精。
「え、あれ……何か俺、変……変じゃね?」
 異変に気がついた男が慌てて私の股から離れる。
「ちょ、俺を照らしてよく見ろ!」
 藤野は黙り、聞こえるほどの固唾を呑んだ音がした。

「な、なんすか! 先輩それ……」
「――わわけわかんねえ! おい、誰か止めろよ! おい! う、うわあぁぁ――……」
 周りの男達をすり抜けて、みるみると薄くなっていく男。
 ついには闇と寸分違わずに同化してしまい、その悲鳴も聞こえない。
 ガチャン――。
 藤野の懐中電灯が電池を飛び散らせて地面に転がる。

       

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