Neetel Inside 文芸新都
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今日はちよちゃん、あやちゃんと二人でお留守番です。
お母さん達が近所にお買い物に行っている間、
あやちゃんのおうちで遊んで待っているよう言われたのです。
お留守番といっても、遊んでいるだけなのですが、
二人のかみさまはどこか心配そうに二人をみています。
二人はかみさまの心配なんてどこ吹く風、楽しそうにおままごとをしています。

プルルルル…

「あやちゃんでんわだよ」
「いいの」
「いいの?」
「るすばんでんわだからだいじょうぶ」
あやちゃんの言うとおり、電話はすぐに留守番電話に切り替わりました。
小さく、応答する録音された声が聞こえます。
「ほらね」
「うん」
二人はまた遊び始めました。

「ちよちゃんジュースのむ?」
それから30分ほどたって、あやちゃんが言いました。
お母さん達はまだ帰っていません。
またきっと寄り道をしておしゃべりしているのです。
「うん!」
ちよちゃんは元気よくお返事をしました。
「ちょっとまっててね」と言って、あやちゃんは台所に向かいました。

その時です。

二人を見ていたあやちゃんのかみさまの体が、ふっと、一瞬半透明になりました。
あやちゃんは台所にいたのでもちろん気づきませんでしたが、
ちよちゃんは視界の中の出来事なのにまったく気づいていないようです。
「おまたせ」
すぐにあやちゃんはジュースの入ったコップをお盆にのせて戻ってきました。
「ありがとう」
ちよちゃんはにこにことコップを受け取り、
二人はおいしそうに冷たいジュースを飲みました。
そんな二人を見ながら、あやちゃんのかみさまは静かに歌を歌っていました。
お母さん達が帰ってきたのは、それからさらに30分後の事でした。

       

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