Neetel Inside ニートノベル
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何某の日常
何某の職員室:3

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とある日、部室の鍵を取りに行ったときの事。

『連続殺人の犯人逮捕。犯人は、宗教勧誘で出会った女性を殺害』
と言うテレビのアナウンス。

「この変態野郎がぁぁぁ」
「柳、落ち着け、それはテレビだっつの」
「女性の敵がぁぁぁ」
「やめろ! テレビ壊れる!」
そこまで言ってようやく柳先生は落ち着いた。
「なんか、物凄い寒気がしたんで」
「それにしてはやりすぎだ。お前、テレビを何だと思ってるんだ」
鳴海先生は、肩で息をしている。
「君達、一体何を騒いでいるんだ」
校長先生が入ってきた。
しかし、校長先生は、松葉杖を突いている。
「ど、どうしたんですか校長先生」
鳴海先生が訪ねると、
「いや、昨晩嫁と揉めてね。喧嘩しているうちに、階段に押し出されて……」
「どうしてまた、喧嘩なんかしたんです?」
生物教師の米田先生が会話に入ってきた。
「それが、実に恥ずかしい話、娘の誕生日で、ケーキの取り合いになってしまってだな……」
その程度で骨折するような大喧嘩に発展するとは、考えても見なかった。
そこに、テレビのニュースの声が、また聞こえた。
『男が交際を申し込んだところ、断られ、カッとなってやった、と供述しております』
「……そうなんですか。にしても、死ななくて良かったですね」
「な、何を言い出すんだ。そんな物騒なこと……」
「そういえばお宅の奥さん、一度お会いしましたけど、物凄い鬼嫁でしたよね」
「……」
校長は、否定する要素を完全に失って、うなだれた。
「……ちょっと怖くなってきた」
柳は、先ほどとは違う寒気を感じているようだった。
校長先生は、柳先生の肩を叩いて、震える体で言った。
「柳君、頼むからうちの嫁みたいにはならないでくれ。あんなのが世界に複数いるだけで、一部の平和が崩壊する。間違いなく」
「なんか、大げさなんですけど」
『次のニュースです。49歳妻が夫を殺害したとして逮捕されました』
「……」
「まぁ、女性に限ったことでもないんですけど……」
「……」
とりあえず、怒ると本当に怖い人は、世の中に少なからずいるようだ。
柳先生は出ない言葉をかろうじて押し出した。
「……人って、なんなんですか?」
「それが分かれば苦労も何もしないと思う」
鳴海先生はため息をついた。

       

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