Neetel Inside 文芸新都
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ガレージは町の自動車修理工場といった雰囲気が漂っていた。実際そう変わらない気もするが、なんというか、雑然としている。そこら辺に足回りらしいパーツが転がっていたり、エンジンらしいものが、蓋を開けて放置されていたりしている。
田中さんが早速、触り始めた。
「あの、何をするんですか?」
「お前には分からないよ」
「教えてくれても良いじゃないですか」
「段々分かるようになるさ」
「イテッ」
「ゴメンな乱暴な性格なもんで」
田中さんが取り外したエンジンパーツの一部を無造作に放り出してきた。それが膝小僧に当たったのだ。どうやらエンジンを分解しているらしい
「オーバーホール整備ですか?」
「だから、お前にはわからねえって言ってるんだよ」
「教えてくださいよ」
「ただ気晴らしにバラしてるだけだ、直す気なんてさらさらねえよ」
な、何を言ってるんだこの人は?
「よく見ろよ、お前の目は節穴か?ブロックに大穴あいてんの見えないのか」
あっ、これ壊れらエンジンだったのか
「どうして壊れたんですか?」
「踏みすぎた」エンジン踏んで壊すのかこの人は、ドンだけ怪力なんだ?
「アクセルの踏みすぎ、リミッターカットしてたからな」
「バラしてどうするんですか」
「捨てる」
・・・・・・・・・・・ポカーン
この人がすることが理解不能な事が多すぎる。
「ところで、お前乗る車はもう決めてるの?」
「やっぱり、後輪駆動がいいですね」
「漫画の読みすぎだなw」
「そうですか?」
「ケツ掻きなんて、遅いだけだ」
「なんでですか?運転しやすいじゃないですか?」
「全く分かってないな、FFの速さが。」
「でも、レースだとFRかMRばっかりじゃないですか」
「そりゃ、レースならな、と言いたい所だが、レースでもFFは速いんだがな」
「でもゲームでもアンダーばっかり出て」
「FFはアンダーが強いってか?まあ、今日のドライブから帰ってきてからもう一度言ってくれ」

       

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