Neetel Inside ニートノベル
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~~ユーシス君とロビン~~

『で、おまえら。いつまでそうしてるつもりだニャ。
 ユーシスの心残りをきいてやるんじゃなかったのかにゃん?』
 その後、ミューが冷静に話を仕切りなおしてくれた。
「あ、そうだったわ。ありがとうミュー」リアナはお礼を言いつつ、ミューをなでなで。
『………わ、悪かったわね』アリスは照れている様子。
『ちぇ~。もっとくっついてたかったのに~』「お ま え な。」
 ロビンは眉間をもみほぐしながら、自分のなかのユーシス君に問う。
「っで、お前はなにしたら天国行くんだ?」
『なんだよ~。ロビンのくせに冷たいぞ! ボクは子供なんだからなっ』
「出会っていきなり連行されて苦手なもん死ぬほど食わされて優しくしろって言うのかお前は?! それも俺が嫌がってるのにムリヤリ!!」
『ボクはおいしかったも~ん。それにロビンが嫌がってるとこ楽しいもん♪』
「どーいう育ち方してきたんだよお前はっ!!」
 ロビンはすでに半泣きだ。
『ん~。まあ、昔っから病気がちだったからあんま外とか出れなかったし……つまりこう、“ヒキコモリ”的な?“にーと”っていうのは違うと思うけどさ』
 ロビンがはっと黙り込む。

『……思いっきり、好きなだけ町歩いてみたいな……
 買い物したり、お芝居見たり、ご飯食べたり、お菓子食べたり………。』

 ロビンの腕に、そっとリアナが手を置く。
「ロビン。
 ユーシス君と、一緒に行ってあげて。……今それを叶えられるのは、あなたしかいないわ。
 甘いものはわたしたちも手伝うから。お願い」
「ああ、わかった。
 ――ユーシス。
 これは俺の身体だ。だから人間として最低限の節度は持ってもらうけど、その範囲内でならいくらでもお前の好きにしていい。
 明日、町に繰り出すぞ。体力はある。一日中遊び倒したって平気だからな!」
『よっしゃ~!! ロビン意外といーとこあるじゃん!!
 そうと決まったら服選ばなきゃ! ばっちし決めて繰り出すぞ~!!』
 ユーシス君はうきうきした様子でロビンの荷物を広げた。
 そして一言。
『前言撤回。』
「なんで?!」
『おまえの服しゃれっけなすぎ!! なんでこんな旅のアニキみたいなやつしかないの?!』
「旅のアニキだからだろーが!!!!」
 かくして明日の最初の予定は、お洒落な服を買うことで決まった。
『やっぱりリアナおねーちゃんに吸い取ってもらえばよかった~。』
「ほんとにな………。」


 ひと段落ついて。
 リアナとミューは隣の部屋に引き上げていった。
 ぼくたちは二人、部屋に残った。
 ロビンがうーんと伸びをして言う。
「さてと。それじゃはじめよっかな。
 クレフ、頼む」
「え? 今日も?
 でもロビン、魂受け入れたのはじめてでしょ。
 アルバイトもあったし、今日はやめといたほうがいいんじゃない?」
「いや、だいじょぶ。
 ちょっとでもやっときたいから」
 ロビンはいつものように、ベッドに寝転んだ。
「わかった。むりしないでね」
 ぼくはいつものように、その足元に座り、両方の足首をつかんだ。
 するとユーシス君が慌てた様子で言い出した。
『え?
 ちょちょっと、なにすんの?! ボクまだ8歳だし』
「あ、そうだよね。
 それじゃユーシス君は寝ててくれる?
 普通に眠ろうとすればいいから」
『い、いやそういう問題じゃなくて!! だからっ……そのっ……』
「?」
 ロビンが自分の頭をがしっとつかむ。
「あのよユーシス。
 腹 筋 運 動 に対してお前はいったいどういう想像してるんだ?」
『え?
 ………あああいやその~~~………
 ていうか、腹筋?!
 ちょ、やめてよね~! やだよそんなん、ムキムキになっちゃうじゃんかあ!!』
「えと、ロビン……」
「無視!」
『や~だ~や~め~て~い~や~~~』
「あのさ、ロビン……」
「だああああ! わかったよもう!!
 くそー、筋トレひとつ許されないのか俺……」
 ロビンはばふ、と枕につっぷした。
『はああ助かった……まったく、しゃれっ気がない上に筋トレなんてありえないよもう。
 ちょっと顔がいいからってさあぶつぶつ』
「俺からしたら腹筋拒否のがありえないから!!」
 ぼくはロビンが気の毒になって、とりあえず頭を撫でてあげた。
「ロビン、何日かのことだから……」
「うう。わかった……がんばる……」

       

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