わが地獄(仮)
ちょっとやそっとじゃ
なんとか仕事帰りにリングフィットをする日々が続いている。体重は減っていない。でも筋肉をつければ代謝量が上がる。それを期待して運動している。
リングフィットは楽しい。
朝六時に家を出て帰ってくると七時過ぎ。リングフィットをやってプロテイン飲んで風呂に入る。ネットフリックスをつけてみる。見る気がしない。
話が重いドラマは面白い。でも見ていると辛くなる。共感性苦痛みたいなもの。主人公や被害者たちが気の毒でみんなブッ殺せばいいのにと思ってしまう。そうするとそわそわする。もうどうでもいいはずの上司や父親を夢の中で何度も殺す。起きた時にため息をつく。もういい加減にしつこい。俺だって俺の心にうんざりしている。麻酔をブッこんで殺してやりたい。
You Tubeもしんどい。好きなカテゴリの動画じゃないと見ない。かといってのめり込みすぎると疲れる。ちょうどいいところがない。
資格試験の勉強もできていない。焦ることはないけれども。さっさと終わらせたい。
Kindleで本を買った。少し昔過ぎた。ホームズの世代だから古めかしすぎる。現代風の脚本術でラッシュしてくるようなものは味が濃すぎるけども、なんの調味料もないのもきつい。ちょうどいい作家がいない。困る。
人とは違う感性を持った人間のドラマは疲れる。だいたいろくなことにならない。みんな社会や世界に負けて死ぬ。「バカはほっとけ」とケツをまくったブッダが正しいんだろう。まともにやり合うと死ぬだけ。
帰ってきたら猫が吐いていた。よく吐くけれどもご飯をそのまま出していて心配になる。おなかが空いていたのだと思うけれどもご飯をあげても少ししか食べない。翌日にはだいたい空だから様子見している。夏バテだろうか。
別に仕事に不満があるわけでもトラブルを抱えているわけでもない。ただ何か虚無。友達はみんな「もう親と自分が死ぬ以外に人生のイベントがない」と言っている。それもひとつの幸せなのだろう。俺も別にそれでいい。ただ少し退屈する。
パトレイバーを読み終わった。22巻あった。面白かった。ただ夢のある未来があった時代の話であって、もう今の時代とはロボット技術以前に「衰退しなかった日本」というSFになっているのが少し悲しい。別に作品は悪くない。時代が悪い。
読みたい小説が思いつかない。見たいドラマも思いつかない。もう何もかも味わい尽くしたような気がする。どれを見てもなにを見てもなにかしらのマイナーチェンジにしか思えない。別に間違ってはいないけれども、なにかが薄い作品を惰性で見ても楽しくはない。自分が薄くなっただけなんだろうか。
別に悩む必要なんかない。筋トレしてご飯を食えばうまい。プロテインが染みる。それでいい。気鬱になってダラダラしていても身体がなまって余計に苦しくなる。リングフィットで汗をかいていれば楽しい。嫌なら負荷を下げればいい。結果なんかどうでもいい。結果なんてものを気にすると、必ず報酬が欲しくなる。その報酬が手に入らないと、脳がストップをかけてくる。だから、純粋に楽しいのが一番。脳の報酬系は騙せない。
カイジやアカギがブームになったところで、英雄は現れなかった。あんな尖った生き方をしても失うばかりだ。キチガイはいい。アカギみたいに変われないやつはそうするしかない。でも変われる凡人なら、別に社会に飲み込まれてダラダラ生きたっていい。ハンチョウみたいに。むしろその中で楽しみを見つけてなんとかやり過ごしていくハンチョウこそ輝いている気がする。社会に反抗し出る杭になれば自分が死ぬか自分以外の全員を皆殺しにするかどちらかになる。だから危険だし疲れる。無理をしすぎる。
いまカクヨムを見た。リワードが500円からになったらしい。俺のときは3000円からだった。そんなのよりスパチャみたいに投げ銭できるようにしてほしい。結局、作者のやる気を出させるには現金で殴るのが一番いいんじゃないかと思う。俺ももういない作家たちがやる気を出してくれるなら月2万くらいなら出せる。でも、もういない。みんないなくなってしまった。
自分の偏食は直したけれども、小説の好き嫌いは直らなかった気がする。直してどうするんだという話でもあるけれども。どうも好みが極端すぎていて、それに自分が縛りつけられている気がする。バカなやり方。もっとラクでもっと自由でもっとチョロイやり方があるだろうに。どうにもうまくいかない。引っかかったら突っかかり続ける。バカでしかない。疲れる。
最近、あまりキャラクターが思いつかない。パトレイバーを見ていると、レイバーより人間模様が好きだったという人が多い。結局はキャラクターなんだろうか。みんな生き生きしているチームというのは確かに見ていて気持ちがいい。安心感もある。現代社会ではなかなかチームというのは生まれない。あっても歪だ。
独断専行しかできないやつが、チームワークに憧れるというのもギャップ的な楽しみがあるような気がするけれども、今のところはただの苦労でしかない。
うえお久光の「グレイテストオリオン」を久々にKindleでダウンロードしてみた。相変わらず染みる。読むと一発で引っ張られる。酔ったような感覚になる。こういう文章を書ける人は本当に少ない。しかも話にまとまりがないから有識者に簡単に否定されて消えていく。幻の魚みたいなもの。うまいけど魚屋にはない。自分で釣り上げるしかない。もしくは自分が魚になって自分で自分を食うしかない。
俺は働くようになってから、やっぱり考え方が狭くなったような気がする。逃げるのもうまくなったし、無理もできなくなった。結局とんだり跳ねたり暴れたって、世の中は理不尽でつまらない。リングフィットの億分の一の深みもない。退屈なだけ。
ちょっと前まで、カクヨムでラブコメを書こうと思っていた。まァ書いていたんだけど投げた。どうしてもうまくできない。ただいずれにせよ、ラブコメの需要はあるんじゃないかと感じていた。別に、自分が仮面YouTuberでクラスの女子からモテモテだっていいじゃないかと思う。それを読んで幸せになれるならそれに越したことはない。ただ、なんとなく最近は、現代モノのラブコメにしても、異世界モノにしても、世の中になんとなく流れている需要みたいなものが全然見えてこない。日常モノが流行ったときはみんな疲れてるのがわかった。俺自身も疲れてた。でもなんか今は、何を求めたらいいのかわからないような、そんな居心地の悪い空気が流れている気がする。俺自身も、何を求めればいいのかわからない。
どうすれば幸せを感じるのかがわからない。だからなんとなく異世界モノを書いてみたいな、と思うんだけど、手をつけたところで全然うまくいかない。そもそも常人の気持ちがわからないから狂人の話ばかりになる。もう俺にはいろいろなものごとがよくわからない。
そもそも書きたいのか、と言われても、やっぱり長編は負担だし、そもそもプロットを組むのが面倒だし大変。今は本当に娯楽が増えて、プロットなんてしっかりしてて当たり前。レッドオーシャンとか言うらしい。
自分が好きだから、楽しいから、それで突き進める人もいるのかもしれないが、俺は自分が特別だと錯覚できて大暴れできないとやる気がしない。だから自分が特別扱いされない環境だとやる気が出ない。他の誰かで代わりがきくなら無理をする理由がどこにもない。銭にもならない。
女に相手にされるにせよ、資格とかを取得するにせよ、結局は形に残るもの、効果があることをやるのが実利だ。俺はずっとそういう意見を否定してきた。そんなもんは飾りだと。でも、なんの飾りもない人生はつらかった。だから俺は折れた。女はネットフリックスが好きだというならネットフリックスを登録してイカゲームを見て、よくわからん服屋で万円する服を買ったりもした。資格をとって職務経歴書を埋め尽くしたりもした。
全部、俺が俺であることに社会がまったく価値を見出さないから、やった。
俺が俺であったがために、俺は苦労する羽目になった。あとに残ったのは困窮と疲労だけ。だから、現実で価値があるとされることを優先する。それは生きていく上で有用だ。それはもう否定できない。俺は負けた。
ちょっとやそっとのセンスで生きていけるなんてのは、幻想に過ぎなかった。
だから、リングフィットをして、仕事も順調なのに、心がうっすらもやっている。ストンと納得していない。そりゃ本音をいえば働くのなんてイヤだ。でも、別に働かなくたって、もう作れるものがなにもない。信じられるものがなにもない。
パトレイバーが面白いのは、本当にこういう未来が来るのかも、とうっすらとでも思える純なバカさがあるからだ。そういうバカさを失って社会に適応したら、もうどんな夢も見られない。何もかも、どんな思想も、信頼するには値しない。すべて吹けば消えていくだけ。大事なのは、うまく逃げること。つらいことを覆い隠して、仕事をして、金を稼ぐこと。人間のフリをすること。
心の中に何もない。空っぽだ。
でもいまカクヨムの完結作を見たらコメントがついていた。褒められてる。嬉しい。
やっぱりなんか書こうかなあ、とか思う。
もともと時流なんて気にしないというか考慮できないキチガイ物書きなんだから、自由にやればいいのかもしれない。別に投稿もしないから字数だって気にしなくていい。のんびりやればいい。
ただそんな感じでひたすら新連載しては投げてきたので、またどうせ三日坊主なんだろうなあという気もする。
物凄く重くてしんどい話か、頭空っぽで自分を理解しない人間を皆殺しにする話しか書けないから、どっちにしてもしんどいのはしんどい。
どうせやるなら、ブルーオーシャンがいい。敵対されたら死ぬだけだ。
俺は俺の世界で無双したい。