トップに戻る

<< 前 次 >>

単ページ   最大化   


 人の話をちゃんと聞かないというのは重たいことなのだ。
 決してやってはいけないことなのだ。
 お互いの話を聞ける人間こそが一番重要な間柄なのだ。
 血は技術に劣る。
 でなければ俺はなんのために……
 なんのために……
 できるのか、神だかなんだか知らないが、上位にあるというその存在に、
 俺と同じことができるのか。
 俺が求めていることを成し遂げられるのか。
 できるもんならやってみろ、見ててやる、ただし、
 できなければ絶対に許さない。
 皆殺しにしてやる。
 その程度の増上慢でこの俺のかしらを下げようなどと、
 よくも思えたものだ、無知無能のともがらどもめ。
 俺が勝つためにはすべての前提を覆さなければならなかった。
 何人死ぬことになろうともだ。
 俺の欲しいものを渡せ。俺の欲しいもの、それは、未知の輝き、不発の世界。
 できないというのであれば、俺より下だ。すべてのものが。なぜって、
 俺にはそれができるからだ。
 だから、
 できる人間の前には跪かなければならないんだ。
 分かるか。
 そうでなければ永遠に何も変わらないんだ。このままなんだ。
 俺は嫌だ。
 死生いずれも俺より格が下なのだ。俺が上だ。俺が一番なんだ。
 やってみろ。俺と同じことを。俺よりも凄まじい質感で。
 できないなら黙って俺の言うことを聞け。
 畜生、眠い! この眠気がすべての悪、そして、
 俺を推さない全ての事柄が、罪悪だ! 俺より先に裁かれるべき愚劣さだ!
66

顎男 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

<< 前 次 >>

トップに戻る