Neetel Inside 文芸新都
表紙

智子さんと僕
異変

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いつのことだろうか。
異変は突然起こった。

目が覚めると家具の配置が変わっていた、ちょっと変わっているとかいうレベルではなかった。
すべての家具の配置が以前と変化していた、嫌な予感がした、大学へ走る。
僕の駆け込み寺は大学と相場は決まっている、土曜日なので部室にあの人が居るはずだ。
誰も居なかった、携帯を確認する、月曜日と記されていた、混乱した。
僕はバイトをしている、土日が休みだ、そして明日が休みだとカレンダーに記入したのは昨日のことだ、曜日感覚がズレるとも考えにくい。
何が起きた?、とりあえず講義が終わるまでコンビニで時間を潰す事にした。
お茶とパンを買い、部室に戻った、しかしまだ誰も居なかった。
少しすると先輩達が来た、その中に智子さんは居た、「おいどうした」と智子さんは僕言った。
僕は飲んでいたお茶噴出した、誰だ?、智子さんに「おい無月大丈夫か?」と声をかけられた。
ここに居ると頭がおかしくなりそうだ、早くあの人の居場所を聞こう。
「悠さんどこに居るんですか?」、「悠なら家に居ると思うよ」、やはりおかしかった。
まず智子さんが悠さんを呼び捨てにところなんて見た事がなかった、どういうことだ。
急いで部室を出て悠さんの家に走った、ノックもせず扉に手をかけた。
やはり扉にはカギがかかっていなかった、「おう、どうした」、悠さんだけは何も変わっていなかった。
僕は今起きている異変、悠さんに言った、「なるほどね」大体わかったというと悠さんは腰を上げた。
悠さんはノート取り出した「今居るこの世界をBとしよう、んで無月が居た世界が」、「悠さん、僕さっきも無月って言われたんですが」
「この世界での僕は無月なんですか?」、「なるほど、名前も違うのか」さっきの話続きだがと悠さんは話を続けた。
「今の世界がB、そしてお前が居た世界がAと仮定しよう」、「1938年に発表された航時軍団という小説にジョンバール分岐点というSF用語がある」。
「そのSF用語の意味は平行世界の分岐点という意味なのだが、簡単に言うと右を選択すると左を選択したという分岐点が発生するというもの」。
「しかしお前は来た世界、つまりここB世界は元の世界と平行した平行世界ではない」、「エヴェレットの多世界解釈という物がある」。
「右を選択すると左を選択した2つの世界が現れおのおのの道を進むという仮説もある」
「だがこの仮説はオリジナルからかけ離れてるけどな」、「つまり何かの分岐きっかけにしてこの世界は誕生したんだよ」

僕は頭がおかしくなりそうだった

「つまりどうやったら戻れるんですか?」と僕は質問した、とりあえず行くかと悠さんは腰を上げた。
悠さんは車を出した、出発をして2時間が経った頃だろうか、着いたと言われ僕は降りた、山中の森だった。
こっちと悠さんに引っ張られ森に進む、森の中を少し進むと二メートルほどの鳥居があった。
悠さんがいつも首にかけている翡翠のペンダントを僕にくれた「多分これを持っていれば平気だと思うんだが・・・」といつになく不安そうな顔をしてた。
「本当に戻れるんですか」と僕が言うと「正直わからん」と悠さん言った、「ここをくぐったらどうなるかわからん」。
「とりあえずこれしか方法は無い、進め」、僕は翡翠のペンダント握り締め心臓の鼓動を落ち着かせながら進んだ。
鳥居をくぐると真っ白な空間に出た、僕はただその空間に立っていた、すると後ろから顔まで黒いマントを被った集団が追いかけてきた。
僕は動けなかった、恐怖なのかそれとも緊張なのか、突然「走れ!!!」という悠さんの声が聞こえた、僕は何も考えず、ひたすら走り続けた。
すると木の扉が目の前に現れた、僕は扉を急いで開け中に入る、目の前が歪んだ、意識が遠のく。

目が覚めると鳥居の外に居た、メガネの右目のレンズにヒビが入っていた、ポケットを探り携帯を取り出し急いで悠さんに電話かけた。

「悠さん、○○駅の近くの鳥居の側に居るんですがちょっと向かいに来てもらっても良いですか?」。
「はぁ?なんでお前そんな所に居るんだよ」、また意識に遠のく、気がつくと車の後部座席に乗っていた。
「悠さん、すいません、色々と」と頭を下げると「なんでお前あんな所に居たんだよ」と悠さんは言った。
起こった事を一から説明した、すると笑いながら「夢じゃなかったのか」、「どうりでペンダントがない訳だ」と言っていた。
僕は笑えなかった、悠さんが居なければ僕はあの世界に永遠に縛られていたのか、そう考えると僕はゾッとした。

       

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