禁煙カフェ4/Dr.チンコレディブル
「その通りだ。私は二次元一筋で三十歳を迎えた。そして魔法使いとなったのだ!」
男の右手に集まっていた光が、なすすべもなく成り行きを見守っていたカフェ店員へと注がれた。
「なんで俺!?」
「我々の業界ではリア充は爆発するものです。さあ行け、リア充ボム! 下等な三次元淫魔を倒すのだ!」
「ええええええっ。そんな無茶苦茶な……」
しかしその光は店員の全身を包んだかと思うと瞬く間に消えていった。
「あれ? 不発……?」
安堵する店員の肩に魔法使いがポンと手を置いた。
その眼は慈愛にあふれていた。
サキュバスも同情のこもった眼で店員を見ている。
「すまない。外見だけとカフェ店員という肩書きだけで君をリア充だと思い込んでしまった。まさか同士だったとはな」
「よ、良かったじゃない、爆発しなくて。元気出して、ね?」
「いや何で俺が可哀想な人みたいになってんですか!?」