ここまでおおよそ一ヶ月近くにわたり連載してきた「江口眼鏡の奇書『探』読」。残念ながら、私には本日四月一日を以てこの連載を終わらせなければならない事情がある。新しい仕事に就く? 否。顔バレした? 否……AV女優では無いのだから、顔くらいどうされようが構わない。
……そうである、ここに書いてきた「奇書」たち、実は私の本棚には一冊として存在しないのである。全ては私の頭の中に。
馬鹿であろう。全く馬鹿であろう。ただ、これが四月馬鹿というものだ。お許し願いたい。私もこの世に生を受けた者として、人生で一度や二度、周囲の友人以上の規模で壮大な四月馬鹿を敢行したかったのである。
とは言い条、私もこの文章を書いている間に、紹介してきた「奇書」たちそのものが私の妄想であったのか、それとも「奇書」たちが妄想のものだとして文章を書いたこと、それじたいが妄想だったのか、覚束なくなってきたのであるが……
そこの読者諸賢、誰か私の本棚を開けて確かめてきてはくれないかね…………
――完-―