陰鬱なほどに黒々と広がっていた雨雲は、私達二人の必殺技でものの見事に、綺麗さっぱり消し飛んでゼロになった。
差した小さな光は瞬く間に広がって世界を包み、眩い閃光の後に天を覆い尽くすは。
蒼の、一色。
「大! 勝!! 利!!!」
あかりがにんまりと笑って、ピースサインを彼方へ向ける。
「やったね、ゆりちゃん!」
私はすぐには、それに答えられなかった。
返事をするために吸い込んだ息が、どこかへ行ってしまったからだ。
星さえ見えそうな程に、何よりもただ蒼い空の下で。
振り返って私に笑いかける、あかり。
私はその煌めく光景に、見とれていた。
私は忘れない。
あの笑顔を。
あの蒼を。
ずっと守ろうって。
そのためなら何でもしようって。
そう、誓ったんだ。