僕は求めて歩いていた。
地下鉄のホーム、高層ビル街、生活のはびこる町並。
答えが何なのかさえ見えずに迷い込んでいた。
煙草も薬もアルコールも役に立たなかった。
せめて歩き続けなければならなかった気がしていた。
夜の静寂の中に溶け込むと、遠くのネオンの輝きが闇に浮かんでいた。
あの輝きに届けば僕は救われるのだろうか。
そんな考えは馬鹿な事だと解っていた。
コンビニの明かりさえ胸の奥に染み込んでいた。
何処までも続く白い街灯の中に、一つだけオレンジのがあった。
まるでそれは、僕のようだった・・・。