Neetel Inside 文芸新都
表紙

まほうつかい おんな レベル1
○月×日 もののーけーたちーだけー

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 メラ。メラ。メラ。

 あれから何回言ったでしょうか。メラ。いつ何時もメラ。ひたすらにメラ。咳をしてもメラ。おはようメラー。おやすみメラー。今日の晩御飯はラーメンにするメラ~。チャルメラメラ~。
 …………。
 脳がゆるくなってゆきました。ここ数日でこれだけメラって言ったのは、私か米良さんくらいだと思います。でも多分米良さんは自分の事を米良って呼ぶキャラじゃないので、私のほうがいっぱい言ったことでしょう。
 結局一度たりとも火の玉は出なかったんですけれども、これは何となーく分かってはいました。私には草薙の血が流れてないのである程度仕方のない事なのです。
 かと言っていつまでも石ころに頼り続けるわけにはいかないですから、よりメラっぽいものを用意してみました。
 ポケットから取り出しましたるは……ねずみ花火ー。
 天に掲げて、さあ準備はバッチリです。こいつで、私は、真のまほうつかいへ!
 あ、火、つけなきゃ。こういうときメラがあると便利なのになー。カチカチ。
 コホン。えーそれでは。

 メラ!
 ぽい

 ……ぱぱぱぱん!!

 『コラー!』

 あ、アイツです! アイツがやったんです! 私、確かに目撃しました! 恐らく怨恨の線です!

 また一人犠牲者が増えてしまいました。
 ふふ、おじさんはさしずめこの街のバラモスね。

       

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