霧の中を、キレイな光に向かって歩いていた。
何度も何度も迷ったけれど、ゆっくりゆっくり近づいていく。
ようやく光にたどり着く。
キレイな光を発していたのはキレイな宝石。
キレイな物だった。
だから細く弱く、白いその腕を伸ばした。
――何故か心が満たされた。
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