彼は三度ペンを取った。
書かなくてはならないと思ったから。
美しい物を書きたいと思ったから。
だからキレイなことを書く。
書けないことなど何も無いと、書いていた。
だから頑張って書いていた。
細く弱いその腕で、書いていた。
その弱い腕は、力強さに満ちていた。
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