Neetel Inside 文芸新都
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ある日の日
騒がしい日

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場所をリビングに移して史樹の隣にユミが座り二人の前にエミが座るかたちになっている。
以前、ユミの顔は恐ろしく怖い顔をしながらエミに質問する。
「説明してもらおうか」
「だから、さっき言ったじゃろこのお方が助けてもらったからだと」
エミは、チラッと史樹を見る。
「本当なんですか?」
横を向いて史樹の顔をマジマジと見つめるユミ。
「本当だけど、まさか人の姿になれるのは知らなかったんだよ」
両手を左右に振って答える史樹。慌ててエミの顔を見て史樹が聞く。
「これからどうするんだ、エミ?」
「どうするって決ってるじゃん、ここに住むに」
平然と応えるエミ。
「駄目に決ってるだろ!」
エミは、悲しそうな顔をし、ユミは、無理だって言ってほしそうな顔をして史樹の方を見る。
「ここに住むなら何でもするか?」
腕を組んで真面目な顔をしてエミに聞く。
「もちろん、お主のことは何でも聞きますとも」
笑顔で応えるエミ。史樹は、すこし考えたあと口を開いた。
「分かった。ここにいて良し!」
「やった~」
「史樹様!」
喜ぶエミ。怒鳴るユミ。溜息をもらす史樹。
「ここにいる間エミには、家事を任せるいいか?」
「お任せください、主様」
席を立ちお辞儀をするエミ。ユミも立ち上がり。
「史樹様!なぜですか?」
「いいじゃないか、なんでそんなに怒るんだ?」
ユミの顔を見上げながら史樹が見つめる。
「決ってるじゃないですか、こいつが犬だからですよ!」
ユミは、エミに向かって指をさす。
「だったら、ユミは猫じゃないか」
史樹は、スッと立ち上がりユミの目の前に立つ。
「エミは、犬だがユミの事はなにひとつ怒らないぞ」
下を向くユミ。
「・・・すみませんでした。取り乱してしまい」
「仲良くしていけばいいさ」
ユミの頭を撫でる史樹。
「さっそくですが何をすればいいですか?」
エミが笑顔で史樹に聞いてきた。
「そうだな・・・」
時計を見るともうすぐ昼時だった。
「よしそれじゃ昼飯作ってもらおう」
「お任せください」
エミは、キッチンへ向かう。
「史樹様私は、何をすれば」
下を向いたままポツリと呟く。
「ユミは、掃除とエミのサポートしてあげて夜飯は、ユミに作ってもらうから」
「はい!」
「それじゃ俺は、戻るから」
二階に向かって歩いていく。
エミは、さっそく調理を始めていた。エミに近づくと。
「猫、あのお方を満足させる事が出来るのは私だ!」
振り向かずエミがユミに告げる。
「何言ってるのエミ」
「気易く私の名前を言うな!私の事は犬と呼べ、私もお前の事は猫と呼ぶ」
エミの調理をする手が止まった。
「猫・・・お前なんかにあのお方は、渡さない!」
「面白い・・・どっちが史樹様にふさわしいか勝負ということか犬!」
エミが振り向きユミを見る。その顔は、自信に満ちていた。
「その通りだ!」
エミの顔を見て不敵に笑いだすユミだった。

     


昼飯は、エミの手作りのカレーだった。その味は、とてもうまく絶品だった。
食べ終わった後は、何事もなく時間がゆっくり流れて行った。
夜になって史樹は、自分の部屋でゲームをしていると。一階からユミの声が聞こえてきた。
「史樹様ご飯ですよ」
史樹は、迷った。なぜなら、今やっているゲームのところがラスボスの戦闘が今、始まったからだ。
「どうすりゃいいんだ?セーブできねぇ~とにかく、やるしかないここまで来たんだから!」
史樹は、強くコントローラを握り、目が見開く。
 10分、20分と流れていく時間。一向に倒せないラスボス。
「クソッ、やばい!回復しないと」
ひとり言を連発していると。階段を誰かが上がってくる音がするが、史樹は、ゲームに夢中で気がつかない。
「史樹様!何してるんですか!」
思いっきりドアを横に引いてユミが入って来た。次の瞬間。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

突然、大きな声を上げて頭を抱える史樹の目の前にあるテレビの画面が真っ暗になっていた。
「何だ今の声は!」
史樹の声を聞いてエミが史樹の部屋に飛び込んで来た。
「主どうした?」
膝をついてこの世の終わりみたいな顔をしている史樹の傍に座るエミ。
「おい!猫。貴様一体何をしたんだ」
怒りに満ちたエミは、ユミを睨みつける。
「私は・・・何もしていないただ、呼びに来ただけよ」
私は、無実ってような顔をしてユミが言う。エミは、心配そうな顔をして史樹の手を握り顔を覗き込む。
「主どうしたんですか?話してくださらない?」
史樹の口が開き始める。
「・・・ユミが入って来た時に、ドアの振動でゲームがバグったんだよ・・・」
よく見ると史樹の目から涙がうっすらあった。
「それは、ショックでしたね」
史樹を自分の胸に寄せて頭を撫でるエミ。
「ごめんなさい!」
深く謝るユミ。少し、した後にエミの体から離れて立ち上がる史樹。
「もういいよユミ。そもそもこんな時代にスーファミやってる俺が悪いんだから」
ユミの頭にポンッと頭を叩いた後。
「さぁ飯食べよ、ユミのご飯はうまいんだよな~」
っと言い残し階段を下りていく、後に続くエミ。
「主を悲しませたな」
その言葉にユミの心に何かが刺さったような痛みが走った。

食事が始まった。食事は、シチュー。少し多い目に切ってある、にんじんとジャガイモが特徴的。
三人が座っている位置は、史樹が真ん中で左にエミ右にユミが座る形になっている。
「うまいなぁ~ユミが作るシチュー」
口にどんどん運んで行く史樹。が、ユミは、さっきの事を気にしていた。
「いつまで、気にしてるんだ」
「すいませんでした」
「もう、いいって」
「ですが」
「それ以上言ったら怒るぞ、今は食事の時間だちゃんと食べろ」
史樹は、スプーンですくったシチューをユミの口に近付ける。
「はい、あ~ん」
「えっ!えっとじゃ、あっあ~ん!」
パクッと食べたユミ。
「おいしいです」
「ユミが作ったんだから」
ユミの顔は、いつもの笑顔になった。
「主、私には?」
「はいはい、エミあ~ん」
「あ~ん!」
その日の食事の時間は、とても温かな時間だった。

       

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Neetsha