Neetel Inside 文芸新都
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ある日の日
病院

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涼華の提案で二人は、昨日と同じ中庭のベンチに移動することにした。
今日は、雲が一つもなくとても、暖かく心地よい風が吹きわたる。
史樹が涼華に話すとすぐに返事をかえし、涼華が史樹に話すとすぐにかえし、会話がリズムよく進む。
史樹と話すことが事が嬉しいのか、話が面白いのか涼華は、笑う。
そんな二人を周りから見れば、仲がいい兄妹のように見えるだろう。
「あれ?史樹?」
二人が楽しそうに話をしていると。
「やぱり史樹じゃねぇか」
二人の元にやって来たのは直輝だった。
「お前何でここに?」
突然の事で慌てて立ち上がる史樹。
「えっとその・・・」
隣で見ていた涼華が。
「史樹は私のお見舞いに来たのよ!」
直輝は、涼華を見た後に。
「なるほどね~」
直輝は、車いすに座っている涼華の目線までしゃがみ。
「はじめまして、史樹のダチの山中直輝です」
にっこり笑顔で言う。
「ふん!」
そっぽを向く。
「あらら、俺に対しては不機嫌な姫様だな」
――友達の直輝君か
直輝が自分の友達だと知る史樹。
「えっとこの子は、小橋涼華さん」
「へ~涼華ちゃんか、何歳?」
少し機嫌悪そうに腕を組み。
「・・・15!」
「15か~じゃあ俺らの一つ下か」
直輝の言葉に驚くように、史樹の顔を見上げるようにして涼華が見る。
「史樹って私より上だったの!」
「えっうん」
溜息のあと。
「ショックだ~史樹が私より上だったなんて」
顔を手で押さえる。
「年ぐらい確認しとけよ」
立ち上がりながら直輝が史樹に言った。
「とっところで直輝君は、なんで病院に?」
「突然どうした直輝君って直輝っていつも言ってるのに」
「そっそうだっけ」
――しまった~
「まっいいけど、今日は、この前怪我したところを治療しに来たんだ」
「怪我したの大丈夫なの!」
直輝に詰め寄りながら聞く。
「あ、ああ」
「そうなんだ」
ほっとしたかのようになる。
「これからどうするんだ?学校行くのか?」
「えっと今日は、休むよ」
「だよな~なんたって学校始まってるのに病院に来てお見舞いに来てるんだもんな」
「何その言い方、お見舞い来ちゃ駄目なのかよ~」
「別に、じゃ俺行くからまたな史樹、涼華ちゃん」
手を振りながら直輝は、行ってしまった。
「直輝か僕にあんな友達がいたんだ」
友達が自分にいたことが、嬉しかったのか直輝が行った方向を見続ける。
すると、隣にいた涼華が。
「なんで・・・」
いつの間にか下を向いている、涼華が何か言ってることに気がついた史樹。
「何か言った?」
ベンチに座り涼華を見る。
「なんで、名前教えちゃったの!」
「だって名前聞いてたから、教えない方がよかったの?」
「そうよ!」
「なんで?」
「史樹だけがいいのよ!」
「なにが?」
すると、目を大きく開けて史樹の方を見て。
「私の名前を呼んでいいのは、史樹だけがいいの!」
顔を赤くして史樹に言った後、自分が何を言ったか思い出し目線がゆっくり下に進み。
恥ずかしくなったのか体を丸くする。
「なぜ、僕だけがいいの・・・」
「決ってるでしょ・・・」
体を丸くしたままちっちゃい声で呟く。
「あなたが・・・」
「え?何よく聞こえない」
涼華の声に必死に耳を傾ける。
「あ~~言うのやめた!」
「なにそれ」
「喉かわいた何か買って来て」
「しょうがないちょっと待ってて」
史樹は、立ち上がり買いに行った。
史樹の後ろ姿を見ながら顔を、赤くした涼華が笑顔を作りながら呟いた。
「決ってるでしょ私の名前を呼んでいいのは、好きになった人だけだから」

飲み物を買いに行った史樹は、何にするか悩む。
「どれにしようかな?昨日と同じやつでいいかな」
出てきた飲み物を取り出して涼華の元へ行く。

     


中庭に行くと芝生の上に、仰向けに倒れている涼華がいた。
まさかと思い史樹は、急いで涼華の元へ走った。
「涼華さん!」
目をつぶっている彼女に声をかけると。
「うん?」
目を擦りながら史樹の顔を仰向けに、なったまま史樹の顔を見つめる。
「はぁ~寝てただけか、よかった~」
「何?寝てちゃ駄目なの」
「いや、倒れてたからてっきり何かあったのかなって心配したよ」
それを聞いた涼華は。
「心配・・・してくれたんだ」
顔が赤くなり右腕で目のところを隠す。
「どうかした?」
隣に座る。
「なんでもない」
腕をどけて史樹に対して笑顔を見せる。
「はい、飲み物」
「あ、サンキュー」
飲み物を手渡す。
「起き上がれる?」
「手、かしてくれる?」
左手を史樹に出す、史樹は出された手を左手で優しく掴み、力を入れて引っ張る。
隣に座ってるため、そのまま手を引いたら自然と涼華の体は、史樹の方へ。
涼華が起き上がると二人の顔の距離は、お互いの息がぶつかるほど。
――顔が近い・・・
――史樹の顔がこんなに近くにある
史樹の顔を見ていた涼華の顔が、熱くなりながら赤くなる。
「ごっごめん!」
恥ずかしくなった史樹が、涼華の顔を見るのを止め急いで上を見る。
――もっと見たかったな~
すこし、残念そうに下を向く。でも、下を向くのを止め。
「ねぇねぇ、背中合わせしない?」
「せっ背中合わせ?!」
目を輝かせながら、でも、すこし口を尖らせながら言った。
「別に嫌ならいいけど、無理しなくていいのよ」
お決まりの腕組むポーズで不機嫌そうに見せる。
「嫌じゃないよ涼華さんがしたいならいいよ」
「えっ・・・」
そう言うと史樹は、涼華の背中を片手で押せえて後ろ向きになり背中合わせになる。
――史樹の背中・・・大きくて暖かいな
史樹の背中を感じながら目をゆっくりつぶる。
――女の子の背中って意外と小さいんだな
二人は、お互いのぬくもりを感じていた。


日が暮れ二人は、病室に移動した。
涼華は、今日のことを満足そうだった。一方史樹は、何かを考えていた。
カーテンの間から夕日が差し込める。
「じゃあそろそろ帰るね」
「えっもう帰っちゃうの?まだ、5時過ぎだよ」
寂しそうに隣に座っている史樹に伝える。
「うん、あんまり遅くなると心配すると思うから特に今の僕には」
「心配するって昨日二人?」
「そう」
立ち上がる史樹。
「もうすこしいてくれてもいいじゃん!」
腕を組んで口を尖らせながら言う。
――こう言えば絶対聞いてくれるって分かってるんだからね
勝ち誇ったかのように言い放った。が、今回は違った。
「ごめんね」
「え・・・」
そう言ってドアに向かう。
「待って!」
ベットから身を乗り出すかのように、ドアに向かう史樹に言った。
「明日も来てくれるよね?当分学校休むって言ってたよね?」
ドアを開けて振り返り。
「やっぱり、学校行くことにしたから」
「そんな・・・」
「でも、帰りに来るからじゃあ!」
そう言い残し史樹は出て行った。
残された涼華は。
「・・・待ってるから、待ってるから絶対来てね」


一時間以上かけて史樹は、家に着いた。
玄関を開け家に侵入。
「ただいま~」
靴を脱ごうと下を見た。
「あれ?誰か来てる」
下を向くと行く時は、なかった靴があった。

       

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Neetsha