Neetel Inside ニートノベル
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スター☆の短編小説
「折り鶴と私と君」

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2006年4月

私は、高校生になった。

初めての、オリエンテーションでその人と出会った。

ちょうど、こんな問題をしていた。

和気藹々 これの、読みを書きなさいという問題だった。

私は、全くわからず・・・どうしたらいいのか困っていた。

その時、誰かが「わきあいあいって読むんだよ」

と言ってくれた。誰が言ったかは憶えてないけど・・・


多分・・折り鶴をくれた男子だったのではないかと思っている。




そう・・あれは、忘れもしない高校一年の時だった。

その時の授業は、美術だった。

私は、黙々と一人で作業をしていた。

ふと、私は顔をあげた。

すると、一人の男子と目が合った。

その男子は、離れて私の隣に座ってきた。

何かをしているようだった。

私は、何をしているのか少し気になった。

そして・・・次の瞬間


「はい、これあげる」と言われて

何だろうと横目をチラっと見ると

一羽の折り鶴が置いてあった。

私は、返事も言えないままただそこに居た。

そして、授業が終わりにかかったころまたそれは起きた。

今度は、私の目の前に小さな折り鶴、カブト、コップの折り紙を

放ってきたのだ。本当に、私には意味がわからなかった。

先生に私は聞いてみた。

「先生、これ私もらったんですけど・・もらっていいんでしょうか?」

「もらっちゃいなさいよ。せっかくくれたんだから」

と言われて私は貰うことにした。

そして、次の日私はその男子から何か言われるのではないかと

勝手に期待を膨らましていた。

しかし。。男子は何も言ってこなかった。

それどころか、いつものようにバカ騒ぎをしてるだけだった。

それから・・一週間後

また、美術の時間に男子は私に声をかけてきた。

「あの、折り鶴まだ持ってる?」と聞かれたのだ。

私はこう答えた

「うん」とただ一言だけを言った。

すると、男子は「そう。」と言っただけだった。

本当に意味の分からない人だった。

そして、時々声をかけられた。

たまたまその時は、私は、友達から私の悪口を言っているということを

聞いて凹んでいた時だった。

ちょうど、私は図書室へ向かう時だった。

その時、たまたまその男子とばったり会った。

「どこ行くの?」
「図書室!!」とちょっと怒り気味に言った。

そのあと、私はトイレに駆け込んで

涙が溢れ出し止まらなかったのを覚えている。

それからも、時々声をかけられた。

「○○さんバイバイ」や「さよならー」など声をかけられた。

私は、ただの冷やかしだろうと相手にしていなかった。

でも、女の子は不思議とそういうことをされて行くと

惹かれていくものなんだと私は知った。

どうして折り鶴をくれたのか私はどうしても気になった。

そして、高一の二学期の終業式の終わったあとにその男子に

聞くつもりだった。でも、ちょうどその時友達と遊ぶ約束をしていたので

声もかけれるはずもなく・・・友達は早くしろーとキレてたので・・

結局聞けなかったのだ。

そして、私は高二になった。

その頃私はチャットにハマっていた。

その頃知り合った北海道の人と私はいい感じになっていた。

そして、その折り鶴をくれた男子に時々まだ声をかけられていた。

「○○さん、どうもお久しぶりです」
「お久しぶりです」とか他には

「ティッシュ持ってない?」と聞かれたので
何も言わず私はサッと取り出しその男子に渡した。

それから、高三になった。

その頃のクラスはほとんど男子だった。女子は10名ほどだった。

高三になってからは、その男子に声は全くかけられなくなった。

そして、その男子は一つ下の後輩と付き合っていることを私は知っていた。

ただ、廊下ですれ違うとき何か視線を感じたような気がした。

多分、気のせいだろうと思っていた。

そして、友達の噂ではのその男子は「女たらしで有名」だったらしい。

なるほど、だからこんなことが出来るんだなと思った。

そして・・私は何を思ったのか高校を卒業して間もない頃

その男子の家に電話をしていた。

まず、出たのは多分その男子の母親だった。

「もしもし」
「もしもし、○○くんいますか?」
「はい、いますよ。呼んできますね」
「お願いします」

数分後・・・・

「はい、○○です」
「○○くんですか」
「はい?誰ですか?」
「私、○○です」
「そうなんだ」
「○○くんは、どうして私に折り鶴くれたんですか」
「ちょっと・・わからないですねー」
「そうですか・・」
「はい」
「・・・・・」
ガチャ

二回目かけるとすぐ切られた・・当然か(笑)

結局、この男子は何がしたかったのかわからないままだった。

でも、もうそんなことはどうでも良くなった。

過去に縛られても仕方ないからである。

私が、馬鹿な女だということがよくわかったでしょう。

ちなみに、これは実話です。読んでくれてありがとございました。

一人の、読者様からのリクエストで書かせてもらいました。

ありがとうございました。コメント良ければどうぞ☆

2009/7/21 スター☆

       

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