Neetel Inside 文芸新都
表紙

書きます、官能小説。
第11話「第3話掲載後、第4話掲載前」

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「これが、『夏目あおいの官能小説』かもしれない」
 
 
 
 
 第11話「第3話掲載後、第4話掲載前」
 
 
 
 
『とにかく、スタイルがいいんだよね。高い身長。Gカップの胸。くびれた腰。安産型なお尻。たぶんむっちりしているだろう脚。どこを見ても隙がない』
 
『お付き合いした人、多いんだろうなぁ。男性経験も多いんだろうなぁ。行きずりの体験とかあったんだろうか』
 
『そういえば、テクニックとかはどうなんだろう。何となくだけど、口でするのとか上手そう。胸はしたことはないとは言っていたけれど』
 
『騎乗位は……あまり得意じゃないような気がする。バックでガスガスと突かれるのが好き……とか? そんなわけないか』
 
『いや、待て待て』
 
『もしかしたら、女性との経験もあるかもしれない』
 
『いわゆるバイセクシャル』
 
『男性相手なら愛される側、女性相手なら愛す側のような気がする』
 
『どんなふうに愛されるのだろうか。
「ほら、みひろ。どうされたいか言ってみろ」
「もっと、もっと突いて、突いてください……!」
 ……ちょっと違う気がする。
「そんなに腰動かして、淫乱なヤツだな」
「で、ですが……もう、我慢、できなくて……」
 どうもマゾに考えすぎてしまうな』
 
『どんなふうに愛すのだろうか。
「ふふ、可愛らしい胸ですね」
 ……うっさいな。
「かわいい声、もっと聞かせてください」
 ちょっとくどいかな。
「んっ……キス、上手になりましたね」
 ……これはアリかも』
 
『それはそれとして、みひろさんの私生活とか訊いたことがない』
 
『独り暮らし、なのかな? まあそのほうが彼氏さんがいたら何かと便利だしね』
 
『シャワーのあとは、バスタオル1枚でうろうろするんだろうか。
 ……えっちい、さすがにそれはえっちい。
 パジャマ、というだけでえっちく感じてしまうのに』
 
『もしご両親と住んでいるとすれば……案外、雑な性格かもしれない。部屋とか散らかっていたりするかも。
 ……けっこう可愛いな、それ』
 
『そういえば、下着の色って訊いたことあったっけ? 見せていい下着は前のチャイナドレスのときに見ちゃったけど、、勝負下着はどうなんだろう。
 無難に黒か……大人の魅力が生かされる。
 ここはピンク……うん、すごく可愛いと思う。
 構造はわからないけど、ガーターベルトというのもありかな』
 
『趣味とかってなんだろう。勝手なイメージだけど、駅前留学とかしてそう。
 前の衣装は手作りって言ってたし、洋服作りが趣味だったりするのかな』
 
『まあ、何にしても』
 
『みひろさんの隣にいれる人、幸せ者だろうなぁ。うらやましい』
 
「……あおいさん?」
 
 ケーキを食べる手を止め、みひろはあおいに問いかける。あおいはずっとみひろを眺めていた。最初はケーキと紅茶を堪能したものの、さすがにみひろは気になった。
 
「あおいさん?」
「……ん? 呼んだ?」
「2回呼びました。どうかしましたか? ボーっとして」
 
 ボーっとはしていない。
 これは。
 
「ネタの詰め作業だよ。で、もうそれも終わったよ」
「……私、今日はおやつを頂いただけだったのですが」
「いや、それで良かったんだよ」
 
 でも、あまり意味はなかった。前のネタ集めで十分だった。
 
 
 
「さて、第4話だけどね。これが、『夏目あおいの官能小説』かもしれない」
 
 みひろは渡された第4話を読む。
 
「内容は別にして、これで何かを掴めたような気がする。何と言うか、すごくしっくりときたんだ。
 このぼんやりとした何かを、自分のものにしたいと思っている」
「…………」
 
 あおいは目に見えて意気込んでいる。よほどこの第4話を気に入っているようだった。
 
『たしかにおもしろい構成ですね。第3話まで読んでいればこの構成は驚きです。一気に引き込まれてしまいました』
 
『しかも、こんな話も書けるんだ、そう思わせる熱意も感じますね』
 
『ちゃんと官能シーンはありますし……奇をてらいつつ、しかも使いたいネタを余すことなく使っていますね。読んでいて飽きません』
 
『これ、集めたネタをほとんど使っているんですか……』
 
「ところで、この新しい登場人物ですが」
「ああ、その子は第4話限りのゲストだよ。やっぱりメインは加悦と昴だからね」
 
『全8話でテコ入れなんて不要ですからね。1話限りなら、これほど良いキャラクター性もありません。今回は昴くんは出ていないのに、ずいぶん充実した内容です。
 それにしても……』
 
「名前ですが、やっぱりこれは」
「そうだね、想像しているとおりだよ。
 加悦は悦びを加える、ということで加悦。
 昴は“昂ぶる”の漢字の似ているものから選んだ。
 その登場人物は、今回の話を世間でよく言われている名称をつけてみた。本当は植物の名前をそのまま使うんだっけ?」
「ど、どこでそれを……」
「いろいろ調べていてわかったんだよ。知っていたんなら教えてくれたらよかったのに」
 
 みひろは、自分のテリトリーに侵入されたような気持ちになった。
 
『……ちょっと発言を気をつけたほうがいいですね。腐女子だということがバレたら精神的にキツいですからね』
 
 

     

 
★第3話フィードバック
 
 
「こちらが第3話の反応です」
 
『くそっまた壁殴っちまった』
『唾液の架け橋とかエロすぎるんだけど昴氏ね』
 
「これは……?」
「いわゆる、嫉妬ですよ」
「嫉妬……昴に?」
 
「そうです、これらは昴くんに対する嫉妬なのです!
 少なからず読者は、メイドの加悦に奉仕されたいと思っているのです!
 いえ、この際なので言いますが、彼氏さんにベタぼれで大抵のことがOK、しかも可愛くてスタイル良い、そんな女の子がメイドになって奉仕ですって? なんというチートキャラ、そんなキャラ性能で大丈夫ですか?」
「え、え? ……まあ、いいんじゃない?」
「そしてそんなチートキャラに愛されるのが昴くんなわけです。そりゃあ男性なら嫉妬します。ですが、これは加悦の魅力があってのことです。大丈夫です、問題ないです」
「ふーむ、とりあえず、加悦が魅力的に書けているってのはわかったよ」
「そうですね。この調子で、一番いい加悦でお願いします」
 
(それにしても、この反応のID、まったく同じですね。日をまたいでも変わらないのでしょうか)
 
「あと、こんな反応もありました」
 
『めざせと申されましてもすでにガチエロにござる』
 
「ん? めざす?」
「いつも掲載するときに作者コメントというのがあるんですが、そこに私が『めざせガチエロ』って書いているんです」
「へ、へー……初めて知ったんだけど」
「変に書いて滑るよりも、あえて簡潔に書いてみたんです」
「まあなんでもいいよ」
 
(今回は編集部にも掲載報告しましたが、あまり意味がないのかもしれませんね)
 
「ところで、キミは昴のことを君付けで呼んでいるよね」
「そうですね。昴くんですね」
「加悦は呼び捨てだよね」
「そうですね。加悦ですね」
「……違いがあるの?」
「男の子には君付けなのですよ」
 
 

     

 
★おまけ1「そういえば1」
 
 
「そういえば、あおいさん」
「なに?」
「第3話の、メイドの加悦がご奉仕するところなんですけどね」
「う、うん」
 
 
「私は、メイドに関する知識、心構えを教えました」
 
「ですが、ご奉仕の内容。手や口、対面座位で奉仕するところまでは教えていません」
 
「まあ、考えたらわかることかもしれませんね。奉仕イコール手、口、対面座位または騎乗位ですからね」
 
「ですが」
 
「ずいぶんリアルな表現ですよね。私とはネタ集めでお話ししていなかったのに」
 
「どういうことでしょうか?」
 
「どういうことだってばよ!?」
 
 
 あおいはうつむき、ぽそりと答えた。
 
「……実体験を、書いたの」
 
 
「ぐああああっ」
 
 これが、これがセクシャル・カーストというものか!
 

     

 
★おまけ2「そういえば2」
 
 
「そういえば、あおいさん」
「なに?」
「第4話の、後半の加悦の格好なんですけどね」
「う、うん」
 
 
「いやぁ、いいですね。加悦がこの格好をしたら、さぞかし似合うでしょうね」
 
「ですが、これ、私は一度も言ったこと、ありませんよね?」
 
「まあ、この姿は、マンガとかAVではメジャーですからね。エプロン自体、ありふれていますからね」
 
「ですが」
 
「ずいぶんリアルな表現ですよね。私とはネタ集めでお話ししていなかったのに」
 
「どういうことでしょうか?」
 
「どういうことだってばよ!?」
 
 
 あおいはうつむき、ぽそりと答えた。
 
「……昔ね、彼にしてあげたの」
 
 
「ぐああああっ!」
 
 聞きたくなかった! 訊かなきゃよかった! あおいさん、そんなことしていたんあがががが!
 

     

 
★おまけ3「そういえば3」
 
 
「そういえば、みひろさん」
「なんでしょうか?」
「今まで集めたメモやもらったレポートを読み返してみたんだけどね」
「は、はい」
 
 
「キミは本当に知識の宝庫だね」
 
「衣装のこと、性格のこと、シチュエーションのこと、いろいろ教えてくれたよね」
 
「私もそれなりに経験あるし、知識もあるけどさ」
 
「でもね」
 
「キミは知識や経験以上に、練り上げてきた何かを感じさせる」
 
「私は、キミのような人を必要としていたんだ」
 
「みひろさんは、私の中で、すごくすごく、大きな存在になっていたんだよ」
 
 
 あおいはうつむき、ぽそりと言った。
 
「これからも、よろしくね」
 
 
「ぐあああああああああああああっ!」
 
 ごめんなさい、ごめんなさい! 処女でごめんなさい! 腐女子でごめんなさい!
 
 

     

 
★おまけ4「あー、みひろさんのおっぱい揉みたいな(無理やり編)」
 
 
「え? 私の、む、胸、ですか?」
 
「だ、ダメに決まってるじゃないですか!」
 
「あっ、やめ、やめてくださいっ」
 
「うくっ、すごい力……離して、離してください!」
 
「触らないでっ、ああ、そんな、うぅ」
 
「あ、あぅ、き、気持ち良くなんて、ありません、からねっ……」
 
(ブラのホックが、外されてしまいました……!)
 
「服の中に手を……いやっ、そんなところ、引っ掻かないで……!」
 
「はぁ、ああ、もっと……!」
 
(そんな……! 今、求めようとしていました……!)
 
(もっと強く、激しく、弄られたい。恥かしめられたい……!)
 
「えっ……? お、終わり、ですか……?」
 
「…………」
 
「……続けて、ください」
 
「もっと、私を、責めてください! めちゃくちゃに、して、ください……!」
 
 

     

 
★おまけ5「あー、みひろさんのおっぱい揉みたいな(恋人同士編)」
 
 
「え? 私の、む、胸、ですか?」
 
「……はぁ、しかたないですね」
 
「ちょっと待っててください」
 
「…………」
 
「下着、外しちゃいました」
 
「では、どうぞ」
 
「あん……もう、優しく、してください」
 
「はうっ、あいかわらずやらしい手つきですね……!」
 
「んん、んーっ……もう少し、強くして、いいですよ」
 
「……あっ、あぅ。ううっ」
 
「もっと強く、激しく、してください……!」
 
「……っ、あ、ああっ」
 
「はぁ……はぁ……」
 
「続きは、ベッドの上で、しませんか?」
 
 

     

 
★おまけ6「あー、みひろさんのおっぱい揉みたいな(赤の他人編)」
 
 
「え? 私の、む、胸、ですか?」
 
「何言ってるんですか? 馬鹿ですか? 死ぬんですか?」
 
 

     

 
★おまけ7「あー、みひろさんのおっぱい揉みたいな(私は触手編)」
 
 
「え? 私の、む、胸、ですか?」
 
「と、というか、何ですかこの異様な生物むぐっ」
 
(口がふさがれて……! うっ、なんでしょうか、この液体……)
 
(甘い、どろってしていて、すごく甘い……)
 
(体が、熱くなってきました……)
 
(あうう、触手が服の中に……)
 
(でも……すごく、気持ち、いい)
 
(胸にそんな巻きついて……はう、そんなところ、コリコリしちゃ……!)
 
(……、……!)
 
(イ、イっちゃいました……)
 
(あ、あつ、熱っ!)
 
(触手も、イったようですね……服の中、ねばねばした液体でべとべとです)
 
(あ、また甘い、お汁)
 
(んく、おいし)
 
(もっと、ほしい)
 
(もう、なにもかんがえられません……)
 
(あぅ、つぎはそっち、せめるんですか?)
 
 

       

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