【雑誌】コミックニート
【作品タイトル】ぱちんこ放浪記
【作者名】小室レイ
【作品URL】http://mearimuso.web.fc2.com/
【パロディを入口として】
「哲也-雀聖と呼ばれた男」というマガジンで連載されていた漫画をパロディしつつ、哲也が麻雀ではなくタツヤがパチンコをする漫画。
新都社で「カイジ」や「アカギ」は良くパロディされるが、「哲也」はちょっと珍しい。
タツヤとダンテによる本編もまぁ面白いが、それよりは過去のパチンコ体験からのパチンコ入門漫画、体験エッセイが興味深い。
小室レイ先生は、別作品「フジョの奇妙な冒険」でも「げんしけん」をパロディして同人界隈のあるあるストーリーを描きつつ、同人版のまとめを参考にした肉般若シリーズも描いている。
とっつきやすいパロディを入口に、そうした豊富な知識や経験を披露してくれる。
ある意味、物凄く新都社らしい作風だ。
全然関係ない作者さんだが、じゃこばん先生、七面鳥先生、そして私にも作風が似ているというかシンパシーを覚える。
つまり何だ…中年おっさん臭い!
(私は小室レイ先生が何歳かは知らないが、たぶんいや間違いなく30代以上だと思う)
【本当にあった小室レイの話】
この実録部分は特に面白くて、「パチスロひとり旅」を見ているかのようだ。
というか第二の名波さん狙えるんじゃないの!?
白夜書房に持ち込みしましょう。
真冬のパチンコ屋の前で大阪からの遠征3人組と一緒にラーメン食って、防寒用にパチンコ屋の前でパンスト頭にかぶった話とか。
イケメンの友人と向かったパチンコ屋の看板が「パ」が落ちてしまって「チンコ」になっていた話とか。
パチンコまったく関係ないが、そういったエピソードが特に面白く、笑いを誘う。
私自身はパチンコもパチスロもまったくやらないのだが、これがあるおかげで本作はとてもお気に入りだったりする。
若かりしころ勤めていたが倒産したというブラック会社経験についても描いて欲しいなーと思う。
奥さんの尻に敷かれているのか、40万没収されたのは辛いですな。
笑いましたけど。
【キングオブクズ】
タツヤのダメ人間っぷりストーリーは事欠かない。
働きたくなくて色々と言い訳するドタバタ劇は中々見もの。
最新話でも電車の席をおばあさんに譲るの譲らないので笑わせてくれる。
だが、ダメ人間でクズだなと思うが、悪人ではなく、傍から見ている分には愛すべきキャラである。
何となく「じゃりん子チエ」のテツとか、「おじゃまんが山田くん」の山田くんあたりを思い出す。
けっこうベタなギャグが多い。うん、古臭い。
だが逆にそれがいい。安心して読める。
【ダンテの名言】
自負・嫉妬・貧欲は、人の心に火を放てる三つの火花なり。
「神曲」を書いたダンテ・アリギエーリの名言をタツヤには贈ろう。