「パークペニス」
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=25124&story=19
「蛇とペニス」(ちんちん小説を書き続けている理由)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=25124&story=20
に書いた公園で見つけた、ヘビや虫や鳥の画像や動画をXにアップしていると、四ツ丸先生が「それはヒバカリですね」と教えてくれたり、「これちんちん小説のネタにしてください」と、ニッチな生物豆知識が掲載されているURLを送ってくれたりするようになった。
勢いで「ニッポンお風呂ペニス」という話を書いていいですか、と聞くと「楽しみにしてます」という快い返事をいただいたので書くことにした。
知らない人のために解説しておくと、「ニッポンお風呂バンド」とは現代詩人マツキ先生を中心に結成されたバンドで「雨の日の散歩」が私の中で大ヒットし、題材にして小説を書いたこともある。四ツ丸先生はその「雨の日の散歩」の作詞作曲を担当し、歌ってもおられる。
「雨の日の散歩」https://www.youtube.com/watch?v=PH5vgq9X96w
地獄納涼オフ会https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=24740
というオフレポにおいて、地面に落ちている金属類や動物の骨を拾う人であることも知られるようになった。
危なそうな人の集団であるニッポンお風呂バンドは「応援はするけれど遠巻きに眺めるにとどめる」姿勢を徹底していた私であったが、小説のネタにするためには仕方ないと思い、四ツ丸先生を呼び寄せた。「うちの前にある大きな公園、動物の骨とか落ちてましたよ」そうDMを送ると、ギター一本背負って四ツ丸先生はすぐにやってきた。
ネット上の知り合いとオフで会うのが初めてだった私は、正直怖かった。警察に待機しておいてもらおうかとも考えた。しかしギターを抱えた四ツ丸先生は、公園内をうろついていた野生のちんちんを強い眼力で懐かせていた。悪い人にちんちんが懐くはずはなかったので、私は心を開くことにした。股は開かないことにした。
ちなみに、公園入口近くにあらかじめ栓抜きを置いておいた。四ツ丸先生は無言でポケットに入れておられた。
猫の脚の骨らしいものを見つけたことがあるとはいえ、そうそう四ツ丸先生好みの物が落ちているわけではない。野生のちんちんの他には、私が書きかけの小説を書き散らした葉っぱやら、傾いて今にも倒れそうな鉄塔やらがあったが、それらで四ツ丸先生は満足されなかった。「ヒラタ……」と呟いてギターをかき鳴らし始めたので、動画であげていたオオヒラタシデムシに会いたいのだなと悟った私は、雑木林の地面を掘り返し、シデムシ探しを始めた。その間四ツ丸先生は公園のベンチで弾き語りをされていた。
「デニス・ヒッピー」
君のデニスが 風に揺れる
僕のデニスは 僕が揺らす
遅れてきたヒッピー
破れたズボンが欲しくて破る
なんかそんな感じの、ペニスという歌詞ではYouTubeにあげられないからデニスにして、デニス・ホッパーから連想してデニス・ヒッピーという、はっぴいえんど初期風の歌を歌っておられた。私は土を掘っているとモグラの尻尾みたいなのがピロピロ動くのが見えて「モグラだ!」と小躍りしたが、ただの大きなミミズだった。「何してんの?」という感じで先ほどの野生のちんちんが覗き込んできたので、陰毛をむしって追い払った。
今思えば先ほどの四ツ丸先生のつぶやきは「ヒラタ」ではなく、コラボされている岩田イワオ先生の「イワタ」だったかもしれない。
生き物探索に疲れたので私は四ツ丸先生の隣に座り、ベンチをパーカッション代わりにしてセッションを楽しんだ。次第に興が乗ってきた四ツ丸先生は自主規制を忘れてちんちんを連呼し始めた。通りすがりの人たちが私たちを見ながらどこかに電話をかけているのが見えた。
「ちょっとトイレに行ってきます」そう言うと私は、ノリ過ぎてトリップして、もはやちんちんと叫ぶだけの生き物になっている四ツ丸先生を置いて家に帰った。パトカーのサイレンが近づいてくるのと、地域の不審者情報がメール配信されるのは同時だった。そういう事態になることを想定して、普段はかけないメガネをかけたりカツラを被ったりしていたので、私と特定されることはなさそうだった。
「あらかじめ拾っておいた栓抜きのおかげで警察から逃げきれました」と四ツ丸先生からその夜にDMがあった。めでたしめでたし。
※四ツ丸先生の演奏・歌による「デニス・ヒッピー」の動画はこちら
https://www.youtube.com/shorts/19J4lWFTHWY
四ツ丸先生には、記憶違いや事実誤認記述などないかの、発表前の事前確認にもご協力していただきました。ありがとうございます。
今後もニッポンお風呂バンド、応援させていただきます。なお今作はフィクションです。