ベータ星の地方都市の一軒の家の中で、母親が子どもに呼びかけた。
「ねえ。自由研究に使った、仮想宇宙セットどうするつもりなの」
「うーん。どうしようかな。これからも面倒見続けるの大変だし」
「じゃあ終了させといてね」
「うん。分かった」
少年はそう言って仮想宇宙セットが置いてある部屋に向かった。
親子の言っている仮想宇宙セットとはベータ星一の大企業が発売したものだ。
宇宙の誕生からその後を観察することができる。進化のスピードは
かなり速めてある。またある程度は
空気の量を調節したりしないと生命が誕生しなかったり、途中で滅んでしまう。
サイズはベータ星の中流階級の一部屋ほどで価格は平均年収に匹敵する。
というわけで買えるのは金持ちの家だけだった。
少年はこれの観察日記をつけて学校に提出したと言うわけだ。
しかし少年は特に科学に興味があるわけがないので
もう用済みというわけだ。
少年はその部屋に着いた。その部屋は客を迎えるようの部屋だった。
金持ちなのでそれぐらいの余裕はあるのである。少年は
仮想宇宙セットの制御盤の終了ボタンを押した。
すると、本当に終了しますか。というメッセージが出てきた。
少年は
「いちいち確認しなくてもいいよ。全く」
とつぶやきながら、はいを選んだ。
その瞬間そこにすんでいる住民が地球と呼んでいる惑星とその宇宙は消滅した。